色鉛筆で始めに薄く塗る色

上手く色を重ねるには?

色鉛筆画が上手に見えるかどうかは
色が上手に重ねられるかです

 

 

単色で色を塗るよりも複数の色を重ねた方が
質感や立体感が出しやすくなって
より上手な絵に見えます

 

 

あらかじめ薄く色を塗っておく
色数を簡単に増やすことができ
色に深みを出すことができます

 

 

色を上手く重ねるためには
薄い色→濃い色
明るい色→暗い色

 

の順番で薄く塗っていくのが基本です

 

 

それは、濃い色や暗い色の上には
薄い色や明るい色が出ないことが多いからです

 

 

ただし、薄い色でも始めから力強く塗ってしまうと
ワックスの影響で、他の色を上から塗りにくくなります

 

 

 

ちなみに私は、濃い色も暗い色も薄く塗れれば
この順番にこだわる必要はないと思っています

 

実際、同じ色の組み合わせでも
塗る順番を変えると違う色になることがあるからです

 

例)黄色+青→黄緑、青+黄色→青緑など

 

 

 

しかし、私が風景画を描く時には始めに塗る色
必ず決まった5色にしています

 

どうして始めの色にこだわるのか
それは私の風景画の描き方を見てもらうとわかります

 

なぜ私が「始めに塗る色」にこだわるのか

私が始めに塗る色にこだわる理由は
私の風景画の描き方にあります

 

こちらは実際の作品とその下描きです

 

見てわかるように、鉛筆で下絵を描きません
薄い色を大まかに塗っているだけです

 

 

気付いた方もいるかと思いますが
私の絵は始めに塗る色自体

 

色の配置や絵の構図を決める

 

 

光と影や遠近感をつける

 

 

混色させる色の一部

 

 

という役割を担っています

 

 

なのでよく見ると
塗る色にはちゃんとしたルールがあります

 

 

このような絵の描き方をしているからこそ
始めに塗る色をどう塗るか
が絵を上達させるための大きな課題でした

 

 

そして、試行錯誤を繰り返した結果
独自で「始めに塗る色」と「塗り方」のルール
を決めるようになりました

 

 

こちらは、誰でも比較的簡単に応用できる方法です

 

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「始めに塗る色 5色」と「塗り方」

それでは、私が風景画の描く時に使っている
「始めに塗る色」「塗り方」
を紹介します

 

まずは、始めに塗る5色の色鉛筆です

 

薄い赤(ピンク)
薄い黄(クリーム色)
薄い緑
薄い青(水色)
薄い紫(薄紫)

 

 

ちなみに、薄い色の色鉛筆とは
力強く塗っても色が出にくい色のことです

 

 

 

この薄い色、5色を選んだ理由です

 

他の色鉛筆で代用できる

 

たくさんの色が表現できる

 

光と影が表現しやすい

 

遠近感を出しやすい

 

 

 

@他の色鉛筆で代用できる


色数が少ない色鉛筆セットでは
「薄い色」がないこともあります

 

しかし、「赤(ピンク)」「黄」「緑」「青(水色)」「紫」は
12色のセットでも含まれていることが多いです

 

薄い色がない場合は
赤(ピンク)」「」「」「青(水色)」「」を
力を入れずに薄く塗ることで代用できます

 

 

 

Aたくさんの色が表現できる


この5色を使うとどんな色が出せるでしょうか

 

色塗らなければ「
単色で「赤(ピンク)」「」「」「青(水色)」「
2色で「」「黄緑」「青緑」「青紫」「赤紫

 

橙に薄紫で「茶色っぽい色
補色の組み合わせを使えば
灰色っぽい色」も表現できます

 

 

始めに塗る色は薄い色なので
この後に塗る色が塗れないということはありません

 

しかも、始めに塗った色があるのとないのとでは
後から色を塗った時の色の深みが違います

 

 

 

B光と影が表現しやすい

 

5色で表現できる色をどこに配置するか
によって光と影を表現することができます

 

」「」「黄色」「黄緑」は
その上から違う色を塗ると色が明るく見えます
光が当たる部分に塗る色

 

」「青紫」「」は
その上から違う色を塗ると色が暗く見えます
影の部分に塗る色

 

光が当たる部分は黄みがかって見える
影の部分は青みがかって見える
というのを利用した方法です

 

※色で光や影を表現する方法(基礎編)
※色で光を表現する方法(実践編)
※色で影を表現する方法(実践編)

 

 

C遠近感を出しやすい

 

進出色・後退色の知識を使った方法です

 

進出色です
→「手前にあるように」見えます

 

青緑青紫進出色です
→「奥まって」見えます

 

 

 


始めに塗る色の選び方と塗り方
それでは、この5色を使ってどのように塗るのかを説明します

 

先程の下絵と完成した絵を使って
どのようなルールで色を選ぶのかを見てみましょう

 

@塗りたい色の「薄い色」を塗るのが基本です

 

 

A光が当たる部分には次のルールを使っています
白く見せる・・・色を塗らないで表現
黄みがかって見せる・・・黄色に近い色に変えて塗る
  (例)橙・黄緑→黄、赤(ピンク)→橙、緑→黄緑 など

 

 

B影の部分には次のルールが使われています
最も暗く見せる・・・5色を塗り重ねる
暗く見せる・・・補色の組み合わせで塗る、薄紫を混色する
青みがかって見せる・・・青紫に近い色に変えて塗る
  (例)黄→橙・黄緑、緑→青緑 など

 

 

C遠近感を出す方法と光と影の関係
光が当たって手前に見せる・・・黄・橙
光があたっていなくて手前に見せる・・・赤
奥まって見せる・・・青緑、青、青紫
遠近感に関与しない色・・・緑・紫

 

黄→緑→青緑の順番で塗ると
始めに塗った色だけで
光と影とさらに遠近感を出すことができます

 

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「始めに塗る色 5色」と「塗り方」2

こちらの画像は
始めに「黄・ピンク・黄緑・水色・薄紫」の5色を使って
描いたリンゴです

 

 

 

実際に描いている動画がコチラです

 

 

 

○使っている色
 黄・ピンク・黄緑・水色・薄紫・赤・茶色・青紫・緑

 

○塗り方の流れ
@始めの5色を塗る・・・黄・ピンク・黄緑・水色・薄紫
 光の部分・・・黄、黄緑
 赤や茶色の部分・・・ピンク
 影の部分・・・水色・薄紫

 

Aメインの色を塗る・・・赤・茶色
 @の上に赤を重ねる
 (芯の部分は茶色)

 

B影をつける・・・緑・青紫
 補色(緑)と青紫で影を濃くする

 

C全体の色を整える
全ての色鉛筆を使いながら色を整えていく

 

 

 

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