光と影と色の特徴
色で光や影を表現する方法(基礎編)で説明した
自然の中で見られる色の法則のおさらいです
光が当たる部分は明るく、影の部分は暗くなる
(有彩色では)黄色が最も明るく
青紫が最も暗く見える
光が当たっているところは黄みがかって見え、
影の部分は青みがかって見える
この3点がポイントでしたね
それでは影の特徴とそれを表現する時に使える
色の選び方や塗り方について説明していきます
影は何色?
影は何色でしょうか?
イメージは黒ですよね
影になっていない部分と影の部分の色を比較すると
薄い影はもとの色が何色かわかりますが
濃い影になると暗すぎて色がわかりません
これが、影が黒いというイメージなのでしょう
しかし、実際の影は真っ黒ということはなく
とても複雑な色をしています
影の部分には必ず
影が映っている物のもとの色が
含まれているからです
そのため、影を黒で塗ると違和感のある絵になります
薄い影も濃い影も
色が暗くなり、鮮やかさも少ない色ではあるけれど
黒ではないからです
薄い影の特徴
@もとの色を暗くした色になる
Aもとの色よりも青みがかった色になる
濃い影の特徴
@もとの色がわかりにくく、黒に近い色になる
これをもとに、薄い影と濃い影の表現の仕方を
説明していきます
薄い影の表現方法
薄い影はもとの色がわかるくらいの影です
もとの色の明るさを少し暗くして
鮮やかさを少し抑えることで表現できます
また、もとの色よりも青みがかった色にすることでも
影を表現することができます
薄紫を混ぜる
薄い補色となる色を混ぜる
濃い色や暗い色の色鉛筆で塗る
青や青紫の色相に近い色鉛筆に変える
という方法を私はよく使います
薄紫を混ぜる
薄紫は簡単に影をつけられる便利な色です
もとの色+薄紫
で薄い影をつけられます
色が薄いため、もとの色を大きく変えることなく
少し暗い色へと変化させることが可能です
色鉛筆では薄紫は下地として先に塗ることも
後から塗り重ねることもできます
補色の薄い色を混ぜる
もとの色+補色の薄い色
でも薄い影を表現することが可能です
もとの色を残すためには
補色の中でも薄い色を選ぶのがポイントです
ちなみに補色とは、簡単に言うと反対色です
補色は混ぜると無彩色(白・黒・灰色)になる
色の組み合わせのことです
補色には
赤⇔青緑、橙⇔青、黄⇔青紫、黄緑⇔紫、緑⇔赤紫
などがあります
濃い色や暗い色の色鉛筆で塗る
色鉛筆の中でも濃い色や暗い色で塗ります
光が当たる方向に合わせて
明るさの違う色鉛筆で塗り分けると立体感が出ます
他にも、薄い色や明るい色の上から塗り重ねて
明るさを徐々に変化させること(グラデーション)で
立体感を出すこともできます
青や青紫の色相に近い色鉛筆に変える
なぜ青や青紫に近い色に変更すると
影のように見えるようになるのか...それは
黄→橙→赤→赤紫→紫→青紫
黄→黄緑→緑→青緑→青→青紫
の順番で色が暗く見えるという
自然の中で見られる色の法則を
使っているからです
下のイラスト2枚を比べて下さい
影の部分に注目してみると
濃い色や暗い色が塗り重ねられています
顔は、黄色→黄緑(青紫へ近い色)へ色が変わっています
濃い影の表現方法
濃い影の特徴は
濃く暗い色で青みがかって見えます
場合によっては、もとの色がわかりにくくなります
濃い影を表現する時のポイントは3つです
「影になっていないもとの色」
を意識する
たくさんの色を重ねる
徐々に暗くする
(グラデーションを使う)
「影になっていないもとの色」
を意識する
暗い影はもとの色が何色かわかりにくいです
しかし、同じ暗い色でも
赤系の色、青系の色、黄緑系の色
では全く印象が違います
暗い影を塗る時に何系の色が含まれているかを
考えてみるだけでも色の選び方が変わります
たくさんの色を重ねる
色数が少なく単調な影や目立ちすぎてしまう濃い影は
とても不自然に見えてしまいます
それを防ぐために
始めに薄い影を作り、徐々に色を暗くします
薄い影の作り方の中でも
薄紫を混ぜる
補色の薄い色を混ぜる
この2つの方法を使います
その後に、青や青紫の色相に近い色鉛筆や
濃い色や暗い色の色鉛筆を使うことで
色数を増やしながら色を暗くすることができます
徐々に暗くする
(グラデーションを使う)
薄い影から濃い影にしていく過程で
グラデーションをつけていきます
青や青紫の色相に近い色鉛筆や
濃い色や暗い色の色鉛筆を使って
色を徐々に変化させるのがポイントです
※グラデーションの塗り方(単色編)
※グラデーションの塗り方(混色編)
光が一番強い部分(ハイライト)との境目に
紺色や濃い青紫を少し塗ると、影が奥まって見えます
光が一番強い部分(ハイライト)との境目に
少し使うのがコツです
それによって、遠近感が出てメリハリがつきます