色鉛筆を上手に混色する方法

混色とは?

混色とは
2色以上の色を混ぜ合わせて色を作り出すことです

 

色鉛筆では簡単に色を混色することができ
組み合わせる色と塗り方によって
微妙な色の変化をつけることができます

 

 

今回は混色についての知識
色鉛筆の混色の特徴を踏まえて
色の選び方色の重ね方を説明します

混色の種類

混色の種類は大きく分けて3つあります

 

混色後の色がもとの色よりも明るくなる

→スポットライトのような光の混色

 

 

混色後の色の明るさが

もとの色の明るさを足した平均となる
       →点描・モザイク画、織物など

 

 

混色後の色がもとの色よりも暗くなる

→透明の色フィルターを重ねたような混色
        画材の混色

 

 

 

ちなみに、絵の具や色鉛筆などの画材は基本的に
混色後の色がもとの色より暗くなる混色です

 

 

しかし、色を塗った時の
顔料の粒の付着の仕方によっては
混色後の明るさがもとの色の明るさを足した平均
となっている部分もあります

 

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画材を使った混色の特徴

 

画材の混色は基本的に
混色後の色がもとの色よりも暗い色になります

 

 

絵の具と色鉛筆では混色のルールに違いがあります
しかし、共通している混色のルールもあります

 

それが、こちらです

 

 

 

混色によって色数を増やすことができる

使える色が少ない場合でも
      混色によって色数を増やせます
      ただし、混色で白は作れません

 

 

 

微妙な色の変化をつけられる

同じ色の組み合わせでも
      色の配分で微妙な色の変化をつけられます

 

 

 

混色すればするほど色が暗くなる

画材は混ぜる色の数が増えれば増えるほど
      色の明るさが暗くなっていきます

 

      明るい色を塗りたい場合
      いろんな色を混ぜすぎないのがポイントです

 

 

 

混色すればするほど色の鮮やかさがなくなる

混ぜる色の数が増えれば増えるほど
      鮮やかな色ではなくなります

 

      鮮やかな色を塗りたい場合
      いろんな色を混ぜすぎないのがポイントです

 

 

 

補色を混ぜると「灰色」や「黒」に近づく

補色は色を混ぜると無彩色になります
     (無彩色は、白、灰色、黒のことです)

 

      画材は、補色同士の色をを混色させると
      灰色や黒に近い色となります
     (混色で色が暗くなるので、白にはなりません)

 

 

 

 

 

今説明した画材を使った混色の特徴の他に
色鉛筆の混色の特徴を知ると
色鉛筆の塗り方のポイントがわかります

 

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色鉛筆の混色の特徴

色鉛筆の混色は他の画材と比べて

 

混色しても色が暗くなりにくい

 

 

補色を混色しても色が濁りにくい

 

 

という特徴があります

 

 

 

それは、色鉛筆が
色が混ざっていないのに混ざったように見せる
という塗り方ができるからです

 

 

もともと色鉛筆は、含まれるワックスの影響により
色の上に色を重ねにくい性質があります
絵の具のようにしっかりと色が混ざることはありません

 

そのためよーく見ると
違う色が色と色の隙間に入っていて
何色で塗ったかがわかることがあります

 

 

 

その状況をわかりやすくイメージできるのがこちらです

 

右の図は近くで見ると
色と色との境目がわかる縞模様です


色同士は重なっていないので、色は混ざっていません

 

しかし、
その縞の幅を細かくしたり、遠くから見たりすると
色と色の境目がわかりにくくなり
色が混ざったように見えます

 

 

色鉛筆もこのようにして
色が混ざっていないのに混ざったように見える
ことがあるのです

 

 

 

ただし、べた塗りのように
色を隙間なく塗り重ねてしまうと
色同士が重なるのでもとの色よりも
暗くなったり濁ったりしやすくなります

 

 

 

つまり、意識して色と色の隙間に違う色を入れる
(線で塗る)ような塗り方が
色が暗くなりにくく、濁りにくいコツです

 

 

補色の色同士の混色も
隙間なく塗り重ねると色が濁りますが
色と色の隙間に色を重ねるような塗り方にすると
色が濁りにくくなります

 

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色鉛筆の混色のルール@ 色の選び方

色鉛筆の混色後の色の変化は
黄+青=緑
赤+青=紫  など
小学校の時に習った絵の具の混色と一緒です

 

 

色の選び方で必ず覚えておいた方がいいのは
「補色」の関係にある色の組み合わせです

 

 

補色とは、混ぜると色が濁り
無彩色(灰色や黒など)に近づく色のことです

 

一番近い言葉では反対色です
絵の具で混ぜちゃダメと言われる組み合わせが
補色であることが多いです

 

 

絵の具ではダメと言われている補色の混色ですが
色鉛筆では大きな武器になります
それは、色に深みを出すことができるからです

 

色鉛筆では混色を避けた方がいい色の組み合わせは
基本的にはありません

 

 

ただし、きれいに混色できるかは塗り方次第です

 

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色鉛筆の混色のルールA 色の重ね方

色を重ねる順番は
薄い色や明るい色から塗るのが基本です

 

それは、濃い色や暗い色を塗った上からでは
薄い色や明るい色が出にくいからです

 

 

また、色が塗られていない隙間に
塗り重ねる色が入りやすいので
同じ色の組み合わせでも
始めに塗った色が強く出ることがあります

 

例)黄色+青→黄緑、青+黄色→青緑など

 

 

 

色鉛筆の混色は
色と色の隙間に違う色が入るように
薄く色を重ねると、明るく柔らかい色になります

 

 

始めから隙間なく色を濃く塗ってしまうと
隙間に色が入らなくなり上手く混色できません

 

 

 


それでは、隙間なく色を塗り重ねたものと
色鉛筆の基本的な塗り方で説明した

平塗りクロスハッチングで塗り重ねたものを
見比べてみましょう

 

 

右の3枚の写真は、補色の赤と青緑の混色です

 

隙間なく色を塗り重ねた場合(右上)


クロスハッチングを使った場合(右中央)

 

平塗りで塗った場合(右下)

 

 

 

同じ赤と緑の混色でも
塗り方で色の印象が変わります

 

 

絵の雰囲気に合った色を出すためには
色の選び方だけでなく
色の塗り方も重要なのがわかります

 

 

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